塩化物泉

塩化物泉は、温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンである温泉です。 海水の成分に似た食塩(主に塩化ナトリウム)を含んでいるため、なめるとしょっぱく感じられます。 入浴すると、塩分が肌に付着し、汗の蒸発を防ぐため、保温効果が非常に高く、「熱の湯」とも呼ばれます。 ナトリウム-塩化物泉、カルシウム-塩化物泉、マグネシウム-塩化物泉などに分類されます。

塩化物泉は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症に効果があります。 飲用すると、胃液の分泌を促し、萎縮性胃炎や便秘に効果が期待できます。 カルシウムを多く含む塩化物泉は、関節痛や筋肉痛の緩和に、マグネシウムを多く含む塩化物泉は、筋肉の弛緩や鎮静効果が期待できると考えられます。静岡県の熱海温泉や石川県の片山津温泉などが塩化物泉として有名です。 保温効果が高いため、湯冷めしにくいのが特徴です。